2年と2ヶ月ぶりの

 


最近「最高の離婚」を見返していた。

尾野真千子演じる星野さんが元夫の瑛太演じる濱崎さんの部屋から出ていくシーン、濱崎さんに対して素直な気持ちを丁寧な文体で綴った手紙を書いたあとにそれを破り、大雑把でガサツな彼女のキャラクター通りにチラシの裏にメッセージを残すのを見てなんとなく久々にブログを書いてみたくなった。

 

3日間かけて最高の離婚全話を見返して、放映当初は少し年上だった彼ら登場人物の年齢を越していたことに気づいた。それでも放映時に考えたことをなぞって思い出すことの連続で、自分の思考は2013年とほとんど変わっていないんだと痛感。プロレスとでんぱ組はあれから大きくなったね。

最高の離婚を見終わった翌日にまるで図ったかのようにツイッターに婚活サイトのプロモーションが流れてきた。2社も。

濱崎さんと上原さん夫婦も一件落着…じゃあ僕も婚活!って行くわけがないだろうとツッコミを入れていたら、脳内に最高の離婚のテーマが流れてきた。

 

 

最高の離婚をなんで見返そうと思ったのかわからないんだけど、昨日から坂元裕二脚本のドラマanoneが始まった。 広瀬すずちゃんのヴィジュアルの向こうに平手友梨奈アズノウンアズてちがいる。はたしてこれから広瀬すずちゃんにてちの面影をみることになるのか、まったく異なったものになるのか、そんな想像をするだけでも楽しい。

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1話だけで短編として成り立っていた。1話完結型ではないドラマなのに、物語の前提を伝えなきゃならない第1話なのに、ある1人に焦点を当てたエピソードじゃないのに、仮にもう続きがなくてこれだけで存在する作品としても素晴らしかった。その場合、最後に出てきた瑛太ウォン・カーウァイの「欲望の翼」のラストでいきなり出てくるトニー・レオンのよう。(欲望の翼はその次にトニー・レオンの話になる予定だったようだが結局作られなかった。)

欲望の翼トニー・レオンはルーレットのある部屋でギャンブラー然としているのだが、瑛太の登場シーンも賭け事的な匂いのするゲーセンでしたね。

 

 

欲望の翼 [DVD]

欲望の翼 [DVD]

 

 

 

ずっと放置したままだった自分のブログを見返すと、途中からドロシーリトルハッピーについての思考の記録になっている。どこかの孤島にでも移住して、ドロシーについての思考の痕跡を守りながらひっそりと生き、ドロシーのことを知りたい若いオタクの子がいつか訪ねてくるのを待ってようかとも思っていたこともあったけれど、やめた。きっとブログを書いていない2年と3か月の間にも素晴らしいことはたくさんあったはずだ。それでも書き残していないから忘れてしまったものもある。

 

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ASIAN STONE

ASIAN STONE

  • Dorothy Little Happy
  • J-Pop
  • ¥250

 

多分誰も同意しないと思うんだけど、最近BAD HOPの音楽にドロシーを感じる。年末30日の川崎の街が強烈にドロシーの記憶と結びついているからかもしれないが。こうやって無理やりこじつけて行く。ドロシーリトルハッピーのセンスオブワンダーには、きっとこれからも巡り合うのかもしれない。

 

Asian Doll feat. T-Pablow, Vingo & Yellow Pato

Asian Doll feat. T-Pablow, Vingo & Yellow Pato

  • BAD HOP
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250

 

5人のドロシーリトルハッピーで感じたあの胸が締め付けられて全身鳥肌が走る体感をcallme以外で唯一感じたのが、「欅坂46」と「ゆくえしれずつれづれ」だ。欅はまあいつもつぶやいてるから置いておくとして、ゆくえしれずつれづれというグループの冷たさと熱さ、静寂から轟音へと空間が変容する瞬間、歌詞、ヴィジュアル含めて総合的に身体を振るわせられてしまった。

 

僕はハードコアのリスナーではないし、ラウド系にも疎い。浮遊感のあるバンドサウンドとスクリームが作り上げる音響空間はフィジカルが重視されるように見えるジャンルを飛び越えて、どちらかというとナヨナヨしたようなド文化系のインディーロックが好きな僕にまで届いてきた。envyの拡がり方のように。

こんな表現は極めて宗教っぽく聞こえてしまうが、光の見える音楽だ。

まれA小町氏のしなやかな身のこなし、◎屋しだれさんのどんどん逞しくそして美しくなるスクリーム、その両者のパフォーマンスをしっかりポップミュージックへと昇華させる英艶奴さんの佇まい。またじっくり書きたいと思う。

 

9年も前につけたブログタイトルはcapsuleの「world fabrication」という曲からとったものだ。ピチカートの影響がもろに垣間見られた頃の中田ヤスタカの仕事なんだけど、終末観と戯画的なポップネスが混合していて、彼の最高傑作だと思っている。僕のツイッターアカウントのgozilandは文字の形が気に入ってつけているのだけど、この曲名の文字の形も好きだ。

この曲で浮かぶ情景は、戯画的にポップな都市に訪れる終末で、クレヨンしんちゃんの「ヘンダーランドの大冒険」のクライマックスのようなごちゃ混ぜのメルヘン・・・終末といえば、「デビルマンcry baby」を無音にしてこの「world fabrication」を流したらどうなるだろうか。

 

world fabrication

world fabrication

  • CAPSULE
  • エレクトロニック
  • ¥150

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デビルマンcry baby」は金麦という飲み物によく合う。少々暗めのネイビーがかったパッケージの色の具合、味の程よい浅さ、この浅さがデビルマン湯浅政明のタッチの間に浸透し、自分の身体もこのアニメの世界にかかわっているという体感を得る。作品的にはハードリカーが合うだろうけど、そこまでドラッギーになると悪魔に取りつかれてしまうので、金麦くらいがちょうどよい。デビルマンを見ながら飲むとビールの下位互換としての発泡酒ではなく、金麦という飲み物になる。金麦を再評価したのはラッパーのヤング・ハッスルによるものだ。ありがとうヤング・ハッスル。フライボーイ。

 

 

 

バイトしない (feat. KOWICHI)

バイトしない (feat. KOWICHI)

  • DJ TY-KOH & YOUNG HASTLE
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250

 

 

最近木曜といえばあいのりの日になりつつある。自分のTLで誰も見てない感あるけど、一向に片思いが続いているし何も印象に残らない編集のままリタイアする人が出たりして楽しい。ベッキーよ突き進め! 

 

Who is callme ?

www.youtube.com


香美、瑠海、美杜でcallme。

富永美杜のソングライティング、早坂香美、秋元瑠海を含めた3人が綴る歌詞、残響レコードから作品を発表しているRumbのアレンジという体制で作られたスタジオアルバム「Who is callme?」。

 

ミュージシャンとしての出自ではない3人が歌詞・曲を試行錯誤して制作しながら、アレンジからマスタリングまでRumb氏が一環して行うというある意味実験的な、とても贅沢なスタイルで作られている。

 

そんなフレッシュな捉え方もできるし、一方で、アイドルとして歩んできた3人の歴史、蓄積された技術、経験とその活動に対する様々な想いというフィルターを通して語ることもできる。

 

クールでスタイリッシュなグループとして、確かな経験と技術を持った3人の更なる飛躍を期待するグループとして、いびつな運命を背負う熱いグループとして、callmeには様々な顔がある。

 

「Who is callme?」

 

英文法からも解放されているようなタイトルは彼女たちを知らない人にも、彼女たちを知っている人に向けても、重層的な意味を持つ問いかけになるようなタイトルで、このアルバムの聴き方、callmeの楽しみ方も多様性に満ちあふれていることを示しているようだ。

 

また、このアルバムのタイトルで単語としてのcallme は単数系として扱われていることからも、語呂の良さだけじゃなく、3人のグループであるけれどもcallmeを「ひとつの集合体」として捉えていることを想像して胸が熱くなる。

 

ぐっと惹き付けられる美しい色彩を感じられるジャケット、そして歌詞カードのアートワークは水中の3人を捉えたもの。

 

富永美杜のメロディーとRumb氏のアレンジはカラッと爽やかさのある耳障りのものでもどことなく水っぽさというか、水中で浮いているようなイメージを感じるので、個人的には、このアルバムに非常にマッチしているアートワークだと思っている。

 

MVも含め、ワンシーンでシンプルに作るアートワークはドロシーリトルハッピーの頃から一環していて、派手なインパクトはなくともコンセプトの統一感がとても心地よくて、このavexのチームのトータルディレクションの考え方は、作品が出るたびに満足度を高めてくれている。

 

そういった心地よいコンセプトの一貫性を感じながらアルバムを聴くと、やはりそこにもcallmeの音楽としての筋が通っていて、僕は何度も何度も全く飽きることなくこのアルバムを聴いている。非常に魅力的な作品。最高。今すぐ聴いて。

 

なんて話でブログを終わらせたいけれど、それと共に、いろいろとcallmeの戦略やこれからを考えさせてくれる一筋縄ではいかないアルバムだとも思う。

 

この作品に収められる楽曲を聴くと、callmeの本当のスタートとして外野を納得させられるクオリティを保ちつつ、過度な色づけをしないことがミッションだったのではないかと考えられる。ぜんぜんもっとポップなわかりやすいアルバムにすることもできたはず。

 

もちろん、富永美杜がまだまだ駆け出しのソングライターでポップなメロディーを勉強中ってところもあるんだけど、富永さんらしさのあるメロディーかつ既聴感は高い、“ベタより”の「Missing you」がアルバムに入っていないところに、そういった今回の楽曲コンセプトをコントロールしようとする意図を感じたりもする。

 

My afectionやFor youといったEDMマナーを取り入れている曲も、リード曲のstep by stepのクラップやシンガロングも、アルバム収録曲のバランスを考慮してぎりぎりで1曲つくって追加したというOh yeah!のサビ前のタメも、ここ数年の音楽のトレンドに多様されている要素を含みながらも、ベタに「高揚感を煽る」音楽的な機能性は抑えめになっている。

 

それによって、3人と音楽が切り離されることなく、Rumb氏の様々な音楽的なアプローチをcallmeの表現として楽しめる。記号や機能を楽しむのではなく、音楽そのものを楽しむ。それは秋元瑠海、早坂香美、富永美杜の3人のイメージに適合しているし、彼女たちのライブの盛り上げ方もそういった考えを垣間見ることができ、今のcallmeのオリジナリティとしてアルバム全体に貫かれた姿勢であると感じる。

 

 

とはいえ、そういった姿勢の心地よさだけで満足していては、彼女たちの夢にはきっと届かない、callmeのコンセプトを感じさせつつ、心を強引に掴みにいくような曲が必要であるとおそらく彼女たち3人は誰よりもその経験から察知しているのではないかと思う。アルバムが出る前には、callmeのアイデンティティーを保ちながら万人に開かれた「ポップ」ということがひとつの今後のキーワードであると感じていた。

 

そのひとつの回答だと感じられたのが、”リード曲を作る”という目標の元で生まれたピアノリフから形づくられた「I’m alone」という曲。callmeのアレンジのスタンスは変えず、わかりやすさと憂鬱っぽさが共存している富永美杜のメロディー。結局曲調から歌詞のテーマは失恋ということになり、リード曲には不向きという判断がなされたようだけれど、1曲が何かを変えてくれるかもしれないという意味で非常に期待感を高めてくれた。どういったパフォーマンスになるのか楽しみだ。

 

アルバムを締めくくる曲、「just trust」はJ-POPであまり聴いたことがないようなメロディーだと思う。かといって、わかりにくさは感じない。ドラムパターンを基に作り始めたらしいけれど、ストリングスではなくピアノ主体であそこまで壮大な印象を与える曲が出てくるのって、リスナーとしてとても嬉しい。

 

callmeを確立したいい作品がある、未来への期待がある、まずはそれが答えだから、過去の話は野暮だけれど、3人の選択(いや、選択という言葉は100%正しい意味ではないかもしれないけれど)をとても誠実な形で示していると僕は思う。それは、僕にとってはとても感動的なことだ。

 

 

callmeはブログやTwitterであったり、ファンとのコミュニケーションだったり、MCで言ってたことだったり、そういった小さな表現が気づけば作品に反映されていたりする。あのとき言ってたことはこういう感じで作品になっていたんだ、って何度も思った。アイドルとしての魅力を発信する機会がリアルタイムの作品作りに直接繋がっている。それは大人が考えたコンセプトではなくて、彼女たちの歩みの中で、自然にそうなってしまったことで、なんと言えばよいか、とても面白いのだ。

 

アイドルとしてのアイデンティティを持ってる人が、曲を作る側としても両立を試みるってのは、ちょっと表現を間違えるとアーティスト気取りみたいな薄っぺらい先入観を持たれやすいのではないかとも思うし、そもそも楽曲の好みは個人によるから、なかなかcallmeの面白さをキャッチーに伝える言葉がないし、あまり面白がるものでもないのだけれども、callmeを見続ける、気にかけ続けることって、それ自体が奇跡的にエキサイティングな経験だと思っている。

 

多分、何度人生を生きたとしても、そんな音楽の成り立ちを楽しみながら曲を聴き、ライブをみて、応援できる経験なんて、そうそうないだろう。

 

callmeを精一杯楽しもう。まだまだこれから、さらにここから。

 

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Hauptharmonie(ハウプトハルモニー)のアルバムを聴いた。

Hauptharmonie(ハウプトハルモニー)のファーストフルアルバム「Hauptharmonie」が、本日発売しました。待ちに待っていたアルバム、聴きました。四六時中聴き続けています。

間違いなく、これはアイドルの作品の中で音楽ジャンル的にこれまでになかったポジションに立った作品であり、(アイドルの作品を手に取るうえでひとつの楽しみであるはずの)運営がシーンをどうセグメントしてどこを攻めて、どうやって勝つかみたいな、戦略的な話は野暮だと思ってしまうくらいに、純粋に、オープニングのSE+15曲、順々に綴られていくメロディー、音楽、言葉が総体となって、感動を呼び起こす大傑作ですよ!!

Hauptharmonie(ハウプトハルモニー) Trailer - YouTube

といってもそれぞれの曲の音楽ジャンル的な内容の話は、詳しくはプロデューサーのあーりー氏のototoyのインタビューにまとめられているので、そっちを見て固有名詞を見ていった方が良いです。

ototoy.jp

 

いやいやインタビュー読むの面倒だよ…という方に説明しますと、漠然としてますが、フジロックのいろんなステージ(グリーン、ホワイト、レッドはもちろん、ジプシーアヴァロン、フィールドオブヘブン、オレンジコートや苗場食堂まで!)で聴ける音楽が集まっている、そう思います。(苗場食堂まで聴けるとは思わなかった…汗)

 

 

Hauptharmonieは去年の11月ごろから、だいたい月に2、3回程度かなあ、少しずつコンサートを見てきました。彼女たちに大きな思い入れを持っているので、その時点で「音楽が…」という枕詞で僕が何をいっても彼女たちを応援したいというバイアスがかかってるけれど、とにかく、今まで少しでもお話したことのある方や、不定期で思いつきで書いているこのブログを読んでくださったことがある方には、ぜひ、試聴でも良いので聴いていただきたい1枚です!!

 

 

アルバム「Hauptharmonie」には様々なジャンルの音楽が収録されている。スカ、V系ロキノンを感じさせるロック、ラヴァーズロック、パワーポップの爽やかなパターン、バルカン、ピアノが全面に出た今風なポップス…基本的にプロデューサーのあーりー氏の意向と発注先の新進気鋭のクリエイターの方々による化学反応によって制作されているみたいですね。

突然ですが、アイドルの文脈において「プロデューサー」や「クリエイター」という言葉が前に出てくると、僕はよく引いてしまうことがあるのです。それは、アイドル自身が制作に関わっていたり音楽マニアでない限り、どうやっても「運営の意図した音楽をアイドルが歌う」という構図になるから。特に音楽のジャンルがピンポイントなケースの場合、どんなに好みの音でも…好みの音だった場合なら尚更、それが凄ければ凄いほど、楽曲を聴いているとアイドルよりも運営の顔がちらついて、音楽としてよくてもアイドルとしては冷めてしまうというジレンマがあります。運営偉いね、よくここまでやりたい事を表現したねっ!って。でもそれだったら、僕は本業の、自分で作って歌って飯を食ってる人の曲を聴きたいな、そんな風に考えがちなんです。ピンポイントなジャンルの曲をやりながら、歌い手であるメンバーの音楽に対する意思と曲が交わらない構造、そこで聴き手が失う得る熱をどうやって保つのか…(僕の個人的な嗜好の話ですみません!笑)

ハルモニーも、もろそんな構造にあるのだと思います…




…しかし、そんな身勝手な懸念はハルモニーのフルアルバムには適用されませんでした。


もちろん、好きだから熱を持ち続けられるってのはあるんだけれども、それだけじゃなくて、できる限り客観的、構造的な理由として、それは様々なジャンルのメロディーに対してメンバー個々人がその声やリズム感の個性を活かして”ソロで”取り組んでいるという要因が大きいのではないかと思います。あーりー氏のインタビューでも語られていたけれど、このアルバム、ユニゾンのパートがほとんどななくて、ひとりひとりのソロパートやハーモニーで綴られていくアルバムになっています。5人のパート(…そう、5人のパート)に割り当てられたひとつひとつの歌に、メンバーの声の特徴を楽しめるし、そのパートをどう歌うかの試行錯誤が想像できます。素晴らしい楽曲を作るあーりー氏とミュージシャンの皆さんのヴィジョンや心意気が素晴らしい、でも、そんな大きな存在をバックにして、このアルバムの主役は5人のメンバーの歌だと思うんです。抜群に歌が上手い、でも、奇跡的な味がある声、でもない。音程とか、リズムとか、技術的にはまだまだなんだろう。でも、ヘタウマの方向に舵を取ったり、綺麗に聴かせようとしないで、ただただ、ボーカルブースで自分なりのスタイルで真直ぐに歌おうとしているのを想像できる。透き通った歌やキラキラした心地よさも素晴らしいアイドルの音楽だけど、こんな剥き出しの歌もアイドルの音楽なんだよ。そしてここに、前述したフジロックのいろんなステージで聴けそうな音楽、いままでアイドルが行かなかったジャンルの音楽が聴けること以上の、根源的な感動があるんです。

(詳しいことはわからないけど、花ちゃんと珠乃ちゃんはボーカリストとして既にいい線行ってるんじゃないかと感じてます。ぴっちゃん、アイハラちゃん、瀬戸さんもそれぞれの声のスタイルがどうなっていくか、今後楽しみです。) 


うーん伝わるかなぁ、いや伝わんなくても、そもそも的外れでもいいから、音楽が好きな誰かの感想を聴きたいです。



 最後に、あーりー氏からハルモニーのアルバム発売に際してのドロシーについての言及があったので、少し。

僕はこの4年間Dorothy Little Happyをずっと追ってきました。詳しくは語りませんが、彼女たちは大人たちが作った音楽を「ドロシーの音楽」として唯一無二のものとしてジャンル化したと思っています。言葉ではなく空気感、誇り、姿勢、非言語的な要素をもって。それは音楽をそれぞれのジャンルを語ることを忘れさせます。明らかな引用が多くあるのに、音楽的な参照をされることが比較的少ないのはそのためではないかと考えています。この4年間、世界の様々な音楽と切り離して、かなり神経質にドロシーに集中して聴きながら、魂を揺さぶられてきました。

 

 

ハウプトハルモニーの場合は、様々な世界の音楽ジャンルを入口にし、引用して、そのジャンルならではの文化を残したまま、メンバーそれぞれの歌で、「Hauptharmonieの音楽」と呼べるような場所へと近づいているんじゃないかなぁ、なんて思います。自分の好きな人たちと世界の音楽が地続きになったら、とても楽しいことになるのではないかと思っています。だからハルモニーに売れてほしいし、長く続いてほしいと思うんです。

や、特典会にあまり行かない自分が言うのもなんですが…

 

ぶっちゃけ、それぞれの曲のここがいい!ここの部分の流れがいい!、「ボウ崇高!」とか「Calmmaze最高!」「Ictas of the Sun最高!」とか、「オブスキュアから愛を数えて的な別れ方リアルじゃね!?」とか、「ニコラウス幸せすぎて涙止まらない!」とか、「ディスカバリー・クタイシ~Caterwaulの流れと親愛なるエミール・クストリッツァについて」とか、「HER HERB`S HERVESTとミルフィーユを西野カナ好きの女の子に聴かせてみたい!」とか、それぞれの曲について細かく想いを巡らせていったら話題がつきないアルバムです。本来はそんな楽しみ方をしているのですが、それはまたの機会に笑

 

うまく伝わっているかわかりませんが、とにかく、個人的に好きな人やものにいろんな動きが起きている今年、この時期に、Hauptharmonieのこの1枚に出会えて僕は幸せです!!

 

あ、7月17日(金)渋谷O-Westのワンマンライブも来た方がよいですよ!来るべきだ。19:30~で次の日休みの人は最高の気分になれると思いますよ!

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ドロシーのツアーも残すところ中野だけになりました。

7月5日、ドロシーのツアー、四国遠征が終わり、残るは12日の中野サンプラザ公演のみとなった。

 

ツアーの間、callmeの3人はドロシー以外の時はスタジオにこもって楽曲制作をしていた。佳奈ちゃんと麻里ちゃんは仙台で少しだけ余裕のある時間を過ごしていたんじゃないかなあと思う。

 

そんな両者が週末にドロシーリトルハッピーとして5人最後のツアーを回っていた。そんな週末の意味合いを意識したのかは定かではないが、「週末だけのロミオとジュリエット」は多分どの公演のセトリにも入っていなかった。

 

ドロシーリトルハッピーの5人の些細な角度まで揃ったパフォーマンス、その向こうに統制の取れた圧倒的な美しさを見ていたが、今回のツアーではリハーサルの時間がないので、そろった瞬間のハッとする感覚は当初ほとんど感じられなかった。しかし、ドロシーとしての暗黙の規律、リミッターが外れた5人はそれぞれの個人としての存在感を存分に放った。揃えるのではなく同じ方向を向きながら5人の個性をぶつけ合いながら、ツアーの数を重ねるにつれどんどんパフォーマンスの精度が自然に上がっていって、今までのドロシーとは全く異なったドロシーを最期に魅せた、それは、きれいごとになるれど、あの5人のドロシーが秘めていた可能性だった。この騒動がなければ永遠に見られなかったかもしれない、いや、もっと早く映像でしか5人を確認できないくらいの大きな会場へのステップに進んでいれば、自ずとこのようなパフォーマンスになったのかもしれないな、とも思う。

 

とにかく、5人の最後のツアー、それは消化試合なんてものではなく、たらればの話にすぎないが、この後5人のドロシーが続いてくとしたらなば、その未来に向けたブレイキング・スルーのきっかけになりそうなツアーだった。良いツアーだと思った。自分は仙台、東京、さいたま、名古屋しかいってないけれど…

 

終わるのはわかっている、それでも少なくともステージからは感傷的な空気は感じない、不思議なツアーでもあった。まるで卒業の発表すらしないで、隠し通しているかのように。5人のドロシーのステージでは、おそらく地元仙台の初日しか、3人の卒業のことには触れていない。

 

終わることはわかっているけれど、彼女たちはきっと中野のその先にあるはずだった未来へと繋がるツアーとして全うしたのではないかな。きっとそれは彼女らそれぞれのプライドだったんだろうな、と思う。そうすることしかできなかったんだろう、とも思える。個々人によって意味合いは違えども。

 

ツアーは残り1公演。中野サンプラザが待っている。

最後だ、何を話してくれも、どんな公演をしてくれても構わない。

卒業という要素が今までと全然違うドロシーを魅せるかもしれないし、

ドロシーリトルハッピーの5人の最後になるパフォーマンスであるなら、卒業という大きな物語すらも忘れさせてしまう、そんなことだってあるかもしれない。

 

チケット、まだプレイガイドで買えますよ。

ドロシーリトルハッピー

 

ドロシーリトルハッピーのるーちゃん、みも、こうみんが7月12日の中野サンプラザでの卒業を発表した。

 

2011年のTIFで初めて知って、見て、僕はそこからそれなりの思いを持ってドロシーを見て来たつもりだ。

 

やむを得ないこと、本当はどうにかできること、胸に秘めた気持ちや思い、物作りの方向性もあるかもしれない、きっと様々な事情があるだろう。それは考えると切りがない。とにかく5人のドロシーが終わってしまうこと、それが哀しい。

 

ただの盲目なオタクの戯言だけれども、これまでドロシーの持ってる特別なもの、美しさみたいなものはあの5人でなければだめなんだ。誰一人かけてもだめなんだよ。僕は本当に、生きて来てドロシーに会うことができたことが誇りだ。香港でドロシーを見たとき、彼女たちがまったく知らない場所に連れて来てくれた、この場にいられることは、大げさな話だけど自分の人生間違ってなかったんじゃないかって思えたんだよ。

 

初めてドロシーを見た2011年のTIF、「Hi so jump!」から何かがひっかかって、まだオレモーがまばらに聞こえるちょっとした苦笑いと、いい曲だって感嘆の思いが混ざり合った「デモサヨナラ」、仙台のページェントの下を自転車で走る”ここではないどこか”へ誘われた「Winter blossom~冬の桜」、動画で見た「見ていてエンジェル」の宵の叙情的な雰囲気、駆け上がった丘のイメージ、「ソウル17」「ドロシーの世界一周夏物語」の漢気とキュートさが融合したロックの楽しさ。

ものすごくキレのよいダンス、既に情感が伝わってくる表現、本当に本当に、僕にとっては衝撃的な出会いだった。そのときはアイドルを見に地方に行くという考え自体がなくて、次に関東に来るのを心待ちにしていた。今もそうだけど、本当に毎日ドロシーのことを考えていた。

 

ドロシーと出会った翌月、2011年9月に母が病気で亡くなった。子供のころから、母親の期待に応えよう、褒められようと思って生きて来た。母親の教育方針とかではなくて、子供のころの環境や出来事がそうさせたのだと思う。母親との関係は何を差し置いても僕の最大のテーマだった。大学をで社会人になり、僕は、長いこと病気と闘って来た母がもう長くないことを頭の中で理解しながらも、人との関係への真摯な姿勢とか、夢や目標を持って生きることかが難しくて、殻をやぶれない自分が申し訳なくて、母がいなくなる現実を直視できなくて、母に何を言えばいいかわからなくなっていた。言葉が胸につかえてしまって、ほとんどたいした話を母とすることができなかった。感謝の言葉も、本当の意味でいたわった言葉もかけてあげることができなかった。本当に申し訳ない、後悔でいっぱいだ。

 

入院したら家に戻れないことを悟っていた母は、ぎりぎりまで入院を拒んでいた。母が入院することになった翌日に、僕はライブ動画でドロシーのLife goes onを聴いた。彼女たちが震災の復興イベントで歌った新曲Life goes onは、坂本サトルさんが作詞作編曲をした曲。東日本大震災の犠牲者を悼み、これからを強く生きていくことを高らかに歌い上げた曲だ。数日後に母が亡くなったとき、ずっと頭のなかでLife goes onが流れていた。母を見送るための数日、その後もしばらく、何度も何度も頭の中でLife goes onを流れていた。どうにかなってしまいそうな中で、ドロシーの歌で心を落ち着けた。何も考えないときもあったし、襲ってくる様々な情念を受け止めながら、思い出を反芻しながらのときもあった。とにかくLife goes onを頭の中で繰り返し歌った。

 

別に信心深い類いのことではないのだが、とにかく人生の中でとりわけ重く辛い時期を僕はドロシーと一緒に過ごさせてもらった。ドロシーがついていてくれた。本当に感謝をしているんだよ。

そしてドロシーに出会って、ここまで素晴らしいと感じるように産んでくれて育ててくれた母親にも感謝をしている。

 

そんなの自分の中だけの話だから、極めて私的なエピソードをわざわざこのタイミングでブログに書くことではないのかもしれない。でも5人のドロシーの時に持ってた思いを忘れたくなくて、勢いで今日、書いてしまった。

 

そこから、いままでドロシーと過ごしてきた物語がある。「HAPPY DAYS!」~「飛びサマ」の時の体制の変更でどんな思いをしながら彼女らを見て来たか、「風よはやく」の予感 「GET YOU」のサトルさん帰還 「Life goes on」の喜び 「colorful life」での熱い思い 「STARTING OVER」の作品性、「circle of the world」で見せた高みと新たな可能性。

まだ振り返るようなタイミングじゃないけれど、しんどいときも幸せなときも。

ビジネスの要素が大きいメジャーなエンターテイメントの世界でこんなにも熱い気持ち、奇跡のように感じる瞬間をくれた。

 

やはり、この5人の物語が終わってしまうのは、辛い。こんなに期待感でいっぱいのところで終わるなんて、傑作と呼ばれる青春映画だけでいい。

 

もちろんね、佳奈ちゃんと麻里ちゃんの2人で続いていくドロシーは精神的な部分でいままでのドロシーのままだ。誰か一人でもあの5人のうちドロシーの歌を歌うなら、ついていくし、次の作品を楽しみにするよ。

もちろん気持ちの問題、距離の問題でてくるだろうけど、はいそうですか、で切れるようなそんな関係性でもないし、思いでもない。とりわけドロシーを作り上げて来た佳奈ちゃんとドロシー歌を引っ張ってきた麻里ちゃんだ。

 

callmeの3人も一緒だ。理想論かもしれないけど、るーちゃん、みも、こうみん、彼女らの歩みをスパっと見なくなることができる関係だと思ってない。3人を信頼している。それにやってることが良すぎるんだ、好きすぎるのが最低だ。まだ発展途上だけど、めちゃめちゃすごいと僕は思う。都合が良すぎるかもしれないけど、callme大好きなんだよ。本当に素晴らしい。

 

そして、2人が残り3人が抜けてしまう嘘みたいな本当の話があるならね、また5人で見られる本当の話だってあるかもしれない。待つだけだ。

本当に普段コンテンツのことばかり追っかけてるから都合がいい考えだ。

 

まだ、詳細はよくわからないけど、今の時点での気持ちだ。

頼むから5人全員に本当に幸せな未来を。

callmeと[4.18ワンマンライブに向けて作られた新曲たち]

香美、瑠海、美杜のこ、る、み、をとってcallme。ドロシーリトルハッピーの派生ユニットです。彼女たちのワンマンが4月18日の渋谷O-Eastワンマンが行われました。

 


3月にシングルで3曲を世に出した時点では、ワンマン後の活動は未定だと言われていました。しかしどこからか、「美杜先生が新曲を量産しているらしい、現場がノリノリでどんどんアレンジがあがっているらしい、ワンマンはかなりの新曲祭りになりそうだ」なーんて風の噂を聴いたりもしていましたが、そのワンマンライブではなんと新曲を10曲も披露して想像を超えるものでした。

 

思えば3月のシングルのリリイベ時点では、callmeとは高校を卒業する3人が卒業制作として、セルフプロデュースで作品を作るというコンセプトのグループでした。「Once again」という曲から特に感じられるような”青春”を振り返る人生の岐路特有のエモーションの中で、そして、3人で“もの作りをする”という喜びに満ちあふれた3人の輝きをみました。

 

Once again

http://youtu.be/A5lv14h2SYk

そんなエモーショナルな風に煽られて、僕自身平日18:30開始のリリイベに間に合うように会社から駅まで走り、駅から会場への“光浴びる道を”また走りながら「それはなんて青春」「卒業おめでとブラブラブラ」なんてワードを思い浮かべたりして、「吉井和哉最高!CALL ME最高!」という気分で、気づけば都内のリリイベに全通していたりもしたのです 笑

 

期間限定なのでプレッシャーもなく、楽しむことしか考えないリリイベ。彼女たちのクオリティについては、伸びたら伸びただけいいと思っていたら、思っていた以上に素晴らしい出来。気持ちよく音楽を楽しむ。非常に肩の力が抜けたリリースイベントでした。(リリイベ最終日に売るCDが会場に届いてなくて売るものがなかったくらいに…気楽な…)

 

そんな気軽な印象を持っていたcallmeが、ワンマンライブに向けて一ヶ月で新曲10曲を仕上げて来ました。様子が変わって来たのです。高校生活を一区切りするライブではなくて、無理をしてでも完成させる決意のライブとなり、これはもう以前のcallmeのコンセプトとは別のグループです。

 

僕はcallmeの楽曲、すべて好きだし素晴らしいと思っています。美杜さんの作るメロディーは本当に優雅です。複雑なリズムに乗っかってもその間をするすると泳いでいく、少し和テイストもくどくない程度に感じるオリエンタルな雰囲気。聴いたことがあるようで、聴いたことがないメロディー。そして思わぬフックを持ってくる部分で感情がかき立てられる。彼女が好んで聴いていた奥華子さんやニコ動のDTMのプロデューサーたちに感謝したい。もちろんステップワンの育成とドロシーの活動・作品が基盤にあり、それなりに思いをもって応援してきた身としては本当に嬉しい限りです。

 

美杜さんのメロディーに彼女たちの3人の歌詞が乗っていく。歌詞カードは全曲ないから、正確な話はできないですが、それぞれ3人の書く言葉には特徴がある。パーソナリティーが現れている部分やドロシーの作品世界に影響を受けているところもかいま見られる。これは作品ができてからじっくり考えたいところ。

ちょっと新曲のライブ動画を見ていきましょう。

 

My affection

http://youtu.be/B_3d4be6UhI

 

今回の新曲で私が1番好きな曲。秋元瑠海さんの作詞です。こんなに明るい曲なのに切なく胸を打つのはきっとるーちゃんの歌とパーソナリティーに裏打ちされている。

“ときめきの正体 わかった瞬間に 世界は色づきはじめた”

この歌詞からサビまでの流れ、喜びに満ちていく世界が、トラックの期待と高揚感と共に広がっていきます。

こんな瞬間は僕が音楽や映画に求めているものでもあります。

みんなでハリネズミダンスをやりましょう、って流れはすごくうまいなあ、誰が考えたんだろう。

 

game is mine

http://youtu.be/Ecv3KtR7b-8

 

この曲はオフィシャルになかったのですが、どうしてもあげておきたかったので、ちょっとユーザーさんがアップされたものを拝借します。

富永先生の作詞曲。ディスコファンク的なアプローチは先人たちが様々なアプローチを試みていましたが、ピアノとドラムとベースのジャズファンクって聴いたことないな…いや新しい引用とか、そんな話どうでもいいんだよ!とにかくカッコいいよね曲が!メロディーの起伏も、それを構成するリズムもねえ。冒頭からサビまで。Falling for youでは富永さんが相手に堕ちていったのに、こっちの曲では“イカサマなんてしない”っていう、優等生ぶりが萌えますね!

 

Precious

http://youtu.be/XDa6ZFnWRBA

これはこうみんの作詞。英語の歌詞で綴っていき、サビのワンフレーズを日本語で。PerfumeのSpending all my timeの手法をもうやっている笑 これ、早めに公式がアップしたってことは海外へアプローチを想像してしまうね。この日本語詞がとてもロマンチック。こうみんがこんなにロマンチストだって知らなかった!

 

SETAGAYA Rumb

http://youtu.be/A0Nv_aV0K-4

 

インストなのですが美杜先生の作家性がすごくわかりやすいですよね。※なーんていってたらカバーらしいって話をTLで見かけました。でもすごくみもっぽいと思うんだよ!!

個人的にはアプローチは違えど質感は僕がいずこねこに見ていた世界観の感覚に近いなあ、なんて。

 

この他にも素晴らしい曲がたくさんあるので、ぜひぜひ、動画で、ライブで、彼女たちの曲に遭遇してみてください。

 

さて、callmeの記事なのですが、最後にドロシーリトルハッピーの新曲「Tell me! Tell me!」を。

callmeで3人を知ったファンの人がドロシーの時の3人を見るのって、とても面白くないでしょうか。大変なことをやろうとしているのかもしれないけれど、双方のハコを持つことの相乗効果と、異なったターゲットへの訴求によってどんどん彼女たちの歌を届ける範囲を広げていってほしいなと思っています。

 

www.youtube.com

2014年 多分音源化されてないけど、いい曲書き留めておくよの回

2014年に気になったけど音源化されてない(現場のCD-Rでおいてあるかもだけど…)曲を載っけておきます。

 

Hauptharmonie 「オブスキュアから愛を数えて」「Love likes a mille-feuilles.」「Calmmaize」


13/12/2014 Hauptharmonie Konzert - YouTube

 

あヴぁんだんど「文鳥」


11月9日 あヴぁんだんど 新曲「文鳥」 - YouTub

おやすみホログラム「Note」


20141115 おやすみホログラム - Note @宇田川GARRET - YouTube