(500)日のサマー


 ざっとあらすじをいうと、ジョイディヴィジョンTシャツを愛用して育った文化系男子のひょろい主人公が、彼の会社で働き始めたサマーっていう女の子に出会って一目惚れしてからの500日を時間軸をバラバラにして綴った話です。

エレベーターでさ、ヘッドホンしてさ、スミス聴いてたらさ、密かに気になりまくってるサマーが音漏れしてるのを聴いて「あたしもスミス好きなの」って言ってくるんだよ!なにそれ!なんだよそれれれれ!!!!(惚れてま…自重)

映画はホントよく出来てて、主人公がサマーとの確信をもったあとに見える世界とか、画面を分割してみせる理想と現実の描き方とか、往年のラブコメをパロったような、物語の途中にさらっと挟まっているインタビュー映像とか、かなり笑えるギャグのセンスとか、秀逸。

で、このマークウェブって監督の主人公の演出が、俗にいうヘタレの心をわかりすぎているんですよw

もう、どのシーンも泣きそうになるんだよね。幸せそうなシーンも、悲しいシーンも。それは記憶として描かれているから、どうしてもなにかを想いだしたときにやってくる切なさがこみ上げて来てしまうんだ。

音楽とか映画とかしかコミュニケーションツールがないような人間にとって、この映画は「前に進まなきゃ」って思わせてくれるものだと思う。

映画の構造としてもものすごい綺麗に出来てます。
音楽もサイコーです。サントラが欲しすぎる。

ぜひぜひオススメ。
この映画観て、もし心に響かなかったらそれはそれで幸せなことだと思うんだ!
でも響いたら、それも素敵なことだと思うんだ。
んで僕は完全に響いてしまいました。

観客として主人公を応援しつつ、ちょっくらサマーにも恋をしつつ、もっと大きなもの、偶然の出会いが繰り返されているこの世界が愛おしく思えてくる映画でした。

そんなに沢山映画を見ているわけではありませんが、サマーは、僕にとってはオールタイムベスト級です。
たまにこうやって自分にとって特別に大事な映画に出会える。それは自分の今までの経験とリンクしていたり、考え方と会っていたり、全く新しい世界を見せてくれたり、問題を解決する糸口を見つけてくれたり。

だから今の映画を観ることはやめられません。