チームB「ラブジャンプ」のPVが思いのほかよい。

AKBの話ですけど、「チャンスの順番typeB」のカップリングに収録されているチームBが歌う「ラブジャンプ」のPVが、結構好き。いや、かなり好き。

もともと今回のシングルのカップリングってチームAの「胡桃とダイアローグ」やチームKの「ALIVE」、チーム研究生の「フルーツ・スノウ」がとてもよくて、ラブジャンプだけiTunesでダウンロードしてなかったのだが(チームB推しなのに!)PVを見た途端良曲に思えてきた。

オープニングのゆきりんまゆゆが並んでるワンカットがよい。ゆきりんだけカメラ目線。
このビデオの構造をいきなり説明してしまう。このようなメタ的世界の映像にテロップを出すオープニングの出し方はよくある手法だと思うし、AKBのPVのそういう作家性あるっしょ?みたいな表現を挟んでくるところはそんな好きでもないんだけど、最近見たイギリス画「17歳の肖像」(こちらも良作!つーか、雨のシーンといい、監督、見てるかなw)に通ずるような、カラッとしてるんだけど何かどんよりした学校の空気感、これから「普通じゃない、何か」が始まるという予感をもたらしてくれる。

ゆきりんまゆゆの演技がとても面白い。基本的ゆきりんの視線で話が展開していくようになっていて、簡単にいえば卒業の迫った看護学校で、ゆきりんまゆゆのことを見つめ続けてる、って内容なのだが笑、(ゆきりん曰く、「いろんな風にとれます」)

 曲名に「ジャンプ」がついているのって虹をジャンプ?みたいな風に思ったりも笑、ドキドキだよまったく。ゆきりんはまったく同じことをフレンチ・キスの「ずっと前から」のドラマでもやっている。フレキスドラマから持ち帰ってきた一方通行なまなざしキャラクター。

まゆゆまゆゆで、このPVでゆきりんに見つめられる対象になりきっている。まゆゆがCGといわれる所以はルックスだけではなくて、時に周囲との壁をも築いてるんじゃないかと思うほどのアイドルとしての完璧な振る舞いをしてることにもあると思う。

ゆきりん以外が“外部”となるシーンが多く、見る対象と見られる対象が明確になっているので、そこには5分くらいのPVの中でもちゃーんと物語が生じている。

体育館のダンスシーンは明らかに予算不足を露呈しているが、そんなことはお構いなし。

個人的な所感で言えば、AKBの曲に恵まれまくっているゆきりんと、エースのわりにはまあ、そこそこかなって感じのまゆゆ。一方で自身のユニット、フレンチ・キスが始まったばかりだが模索段階のゆきりんと、渡り廊下走り隊という最もコンセプトがハッキリしたグループの中心としてユニット的には充実しているまゆゆ。この2人が補い合って、苦楽を共にして作って来たチームBは強い。もっとやれるはず。弱点は血液型以外ないから!

このラブジャンプで、僕にとっては普通の曲をPVによって輝かせてしまったように。チームB、過去の思い出にとらわれず、冷静に丁寧に正確に。