AKB0048、冒頭のシーンに高まった第1話

AKB0048の1話の冒頭シーンがとてもよかったので感想を。
ちなみに僕はアニメのことはよくわからないただのAKBヲタなので盲目的な物言いをご了承ください。





芸能が禁止された星。
AKBがやってくると噂を聞きつけ会場にやってきた民衆が警察らしきものに取り締まられている。その真下の地下道では4人の少女がひっそりと歩を進めていた。
地下道は暗く、土や煉瓦が見られが進む先には光が見える。
地下道の造形はまるで、秋葉原のドンキ8階のAKB劇場ロビーのよう。
少女たちが目指す光の先の方からAKBのライブの開始を告げるovertureが流れ出した。
「きたー!」
少女たちは道の奥に見える光の方へへと走って行く。
その光景が秋葉原の片隅で劇場公演をこなしながら光を求め懸命に努力を続けた現代のAKB48の物語をイメージできる。
個人的な経験としては劇場のロビーで中継を見ているときに、たまにシアターのドアが空くことがあり、一瞬輝くステージが見えたときのあの感じにも近いものがあるかと思った。
彼女たちが地下道からその光の先へ抜けると、そこには無数の人々が歓声をあげており、巨大な宇宙船ステージからAKB0048が登場しライブを始める。
まさにドーム公演を想起させる光景。
演者ではなく、司令官として宇宙船の中にいる麻里子様が敵の接近を察知。芸能を取り締まる警察みたいな組織が出てきてAKBを駆逐しようとする。
麻里子様の連絡を受けたたかみなは一同に戦闘の開始を命ずる。
それと同時に演目は「少女たちよ」となり、彼女たちは歌い踊りファンを楽しませながら、優雅に舞い、ときにパワードスーツを操作してえげつなく、敵と戦うのである。いたるところで爆発がおき、暴力が振るわれるが、キラキラした「少女たちよ」の音楽に乗せてとても美しく感じるシーンに胸が熱くなる。
芸能が禁止された世界でのカウンターとしてのAKBが正義というこのアニメでのルールが明示され、ファンとしてはとても心地よい錯覚に陥ることができる。
AKBの大会場のコンサートにおいては、広い会場をAKBの様々なメンバーが走り回ったり、ときにそれぞれのメンバーが足を止めて気持ちを込もった表情で歌ったりという緩急にカタルシスがあると思うのだが、この冒頭のシーンでは前者に挙げた広い会場をメンバーが縦横無尽に暴れまわるようなイメージをちゃんと描いていると思う。大会場でのコンサートの雰囲気が出ているなぁと感じた。


そして「わたし、絶対になりたい、AKB0048に」この物語を推進させるための台詞が決まり、
AKB0048
タイトルバックが出る…




少女たちが光を目指して駆け抜けて行った先には、ものすごい動員のコンサートが実現していた。
この短いシーンはAKBの歩み、物語を端的に意図してるんじゃないかな。
ツッコミどころはあるものの、本当によくできたシーンだなって思った。

○○代目のメンバーたちも、なんとなく本人の所作を元にして動きを作ってるのが伝わってくる。

このあとこの荒唐無稽ともいえる設定のアニメがどう転がるかわからないけど、この冒頭シーンは少なくともこの企画に対して極めて誠実な回答になっていると思う。

マジすか1にしろ49にしろそしてこの0048にしろある程度ハマらないとわからないAKBの魅力をフィクションに落とし込むことで、テレビを通して説得力を持って実感することができている。

AKBが基盤になり、AKBに集まったお金によって生まれる物語の力が頼もしいです。自給自足のフィクション/ノンフィクションが共存するシステム。語るには僕はグループにコミットしすぎですが、1段、2段、3段とメタ視点が広がって行くAKB…まだまだパーティーは終わらないのです。