ドロシーのツアーも残すところ中野だけになりました。

7月5日、ドロシーのツアー、四国遠征が終わり、残るは12日の中野サンプラザ公演のみとなった。

 

ツアーの間、callmeの3人はドロシー以外の時はスタジオにこもって楽曲制作をしていた。佳奈ちゃんと麻里ちゃんは仙台で少しだけ余裕のある時間を過ごしていたんじゃないかなあと思う。

 

そんな両者が週末にドロシーリトルハッピーとして5人最後のツアーを回っていた。そんな週末の意味合いを意識したのかは定かではないが、「週末だけのロミオとジュリエット」は多分どの公演のセトリにも入っていなかった。

 

ドロシーリトルハッピーの5人の些細な角度まで揃ったパフォーマンス、その向こうに統制の取れた圧倒的な美しさを見ていたが、今回のツアーではリハーサルの時間がないので、そろった瞬間のハッとする感覚は当初ほとんど感じられなかった。しかし、ドロシーとしての暗黙の規律、リミッターが外れた5人はそれぞれの個人としての存在感を存分に放った。揃えるのではなく同じ方向を向きながら5人の個性をぶつけ合いながら、ツアーの数を重ねるにつれどんどんパフォーマンスの精度が自然に上がっていって、今までのドロシーとは全く異なったドロシーを最期に魅せた、それは、きれいごとになるれど、あの5人のドロシーが秘めていた可能性だった。この騒動がなければ永遠に見られなかったかもしれない、いや、もっと早く映像でしか5人を確認できないくらいの大きな会場へのステップに進んでいれば、自ずとこのようなパフォーマンスになったのかもしれないな、とも思う。

 

とにかく、5人の最後のツアー、それは消化試合なんてものではなく、たらればの話にすぎないが、この後5人のドロシーが続いてくとしたらなば、その未来に向けたブレイキング・スルーのきっかけになりそうなツアーだった。良いツアーだと思った。自分は仙台、東京、さいたま、名古屋しかいってないけれど…

 

終わるのはわかっている、それでも少なくともステージからは感傷的な空気は感じない、不思議なツアーでもあった。まるで卒業の発表すらしないで、隠し通しているかのように。5人のドロシーのステージでは、おそらく地元仙台の初日しか、3人の卒業のことには触れていない。

 

終わることはわかっているけれど、彼女たちはきっと中野のその先にあるはずだった未来へと繋がるツアーとして全うしたのではないかな。きっとそれは彼女らそれぞれのプライドだったんだろうな、と思う。そうすることしかできなかったんだろう、とも思える。個々人によって意味合いは違えども。

 

ツアーは残り1公演。中野サンプラザが待っている。

最後だ、何を話してくれも、どんな公演をしてくれても構わない。

卒業という要素が今までと全然違うドロシーを魅せるかもしれないし、

ドロシーリトルハッピーの5人の最後になるパフォーマンスであるなら、卒業という大きな物語すらも忘れさせてしまう、そんなことだってあるかもしれない。

 

チケット、まだプレイガイドで買えますよ。