レスラー
映画「レスラー」を見る。
今日は映画サービスデーだったこともあり、シネリーブル池袋ではエヴァが立ち見も出て完売状態。2、3回はみたいしね。
エヴァが見れずに流れて来た人もいるようで、レスラーの方も3割以上の席が埋まっていた。
高校のころ、生徒会でトークショーのゲストを承知する担当だった。元レッズの、というかミスターレッズの福田をよんだのだけれども、そのときの候補に、先日リングの上で亡くなった三沢光晴氏も入っていた。
そのとき、「プロレスラーなんて野蛮だ」なんて、一瞬でも思ってしまったことを後悔している。
「レスラー」に出てくる人々は皆、優しい。
常に相手を気づかい、客を気づかい、自分のことを放っておいて、他者を気づかってばかりいる。
そして不器用な彼らは、ときに大事な人への気づかいを忘れてしまう。
主人公の「ガンズを聴いて気楽に過ごした80年代はよかった。ニルバーナが全て壊してしまった。暗い90年代は嫌いだ。 」
なんてふうな台詞が印象的。
そして主人公の娘の部屋には バンパイアウィークエンドのポスターがさりげなく貼ってある。
あくまでバンパイアウィークエンドは娘の趣味を表したものにすぎず、娘のパーソナリティーによっては別にそれがアークティックモンキーズでもブロックパーティーでもクラクソンズでもハドーケンでもケイジャンダンスパーティーでもよいのだと思う。
人々の共通の価値観が崩壊してしまっている現実に反抗して、時代、世代としての大きな流れ、栄光から続く歴史の中に主人公は生き続ける。プロレスを人生の一部でなく、人生そのものとして受け入れる。
主人公のプライベートにおいて大切な関係の女性たちは、彼の戦っている姿を見ることはない。
それがとても現代的。すごく現代的な映画であると感じた。
最高の映画でした。
上半期、あえてつけるランキングを更新するなら、
1位 グラントリノ
2位 レスラー
3位 エヴァンゲリオン新劇場版 破
4位 ヘルボーイ/ゴールデンアーミー
5位 チョコレートファイター
にしようと思います。