サマーウォーズ

この前サマーウォーズ見た。

とても面白かった!よい出来栄えでどこがどう面白かったなんて書いてもしょうがないので、頑張ってディスってみようと思う。

登場人物のスペック高すぎ!全然一般人じゃねえし。
くれよんしんちゃんの野原一家の偉大さを思い知った。

というか、象徴的なのは、野原一家や多くのアニメの主役たちは(もちろんマトリックスも)自分の身体をバーチャルな空間へと移動させ痛みを伴う戦いを繰り広げて来たが

サマーウォーズではキーボード、アイフォン、DS、ケータイなどのデバイスを操作することによって仮想空間オズの中で戦いを繰り広げる。
ゲームやってるのをみんなで見てるだけだから、仮にやられたとしても痛みを感じない。(エヴァンゲリオン新劇場版破で痛みを感じた直後であれば尚更)

細田監督はこの映画をアクション映画って認識をしていたけれど、痛みという要素がないから、アクションの楽しみというよりも話の展開と構造そのものを楽しんでる人が多いのだろう。

これが、大きなバジェットの映画として公開され、ヒットしてるって考えると、みんな痛みを感じたがらない時代なのかだあって思ってしまう。

極端な例だけど恋空は痛いシーンは引きで押さえてるし、ルーキーズの痛みは馴れ合うための記号にしかすぎないし。

痛みのないところで誰ひとり傷つくことなく安心してアクションを楽しめるってのがマーケティング的に成功してるのだろうなあ。

そこに親戚というオリジナリティを持ってくれば映画として語る要素にもなるし。



この映画、おばあちゃんの人生のくだりにのみ切実さが込められているけれど、細田監督の前作の時かけのほうが話としては遥かに切実で、やっぱ時かけってよい映画だなって思った。サマーウォーズのあとに時かけを見直したのがよくなかった。全然違う映画なのにどうしても比べてしまう。

おばあちゃんを中心としたエピソードにのみ、考えさせられる家族や人の絆というテーマがあって、他はよくありがちな社会システムへの警鐘とかに走ってないのがよかった。

エンターテイメント作品として、かなり素晴らしい出来であると思った。

この夏一本楽しんでみたいならオススメの夏戦争である。