ライブ映像の中のPerfume

Perfume Second Tour 2009『直角二等辺三角形TOUR』 [DVD]

Perfume Second Tour 2009『直角二等辺三角形TOUR』 [DVD]

二等辺三角形ツアーDVD売れているようでなによりだね。僕はこのDVDは音楽DVDの歴史に残るような傑作だと思ってます。

「早く帰ってDVDを見たい。」

そんな気持ちが久々にやってきた。
それは発売してから、一週以上が経った今も、ずーっと続いている。
まるで、小6くらいのころに、FF8が発売してからクリアするまでの日々みたい。新しいゲームやるから早く帰りたいみたいな気持ち。

そんな童心に帰るようなDVD体験をして、僕はかねてから思っていたPerfumeのライブ映像について書きたくなった。まあ、ごく当たり前の話なんだけれどね。



僕がPerfumeにハマった大きなきっかけの1つとなったのがYou Tubeやニコ動におけるDVDファンサービス〜ビターを中心としたライブ映像である。

家に帰るとすぐにパソコンを立ち上げ、当時はまだ種類の少なかった貴重なライブ映像を何度も何度も繰り返し見ていた。

引力を伴ったようなそれらのライブ映像に、僕は今まで見たことのなかった中毒性を感じていた。

初めてPerfumeのライブを実際に見たときは、映像の中で知っていたはずの彼女たちとは全然違った人たちに見えた。この人たちは強い意思をもった人たちなんだと。

そしてそのパフォーマンスに、いつも映像で見ているものとは違った印象を受けた。スムーズでしなやかな3人のアクションは、文字通り「生身」という言葉が似合っていると感じた。


そんな体験から映像で彼女達をみることと、実際に彼女達をみることについて考えてみた。






ディスプレイに映った映像は、1秒間に30コマの写真をパラパラマンガの要領で連続再生しているものだ。

1秒間に30コマなので1コマの静止画がディスプレイに映る時間は1/30秒。

で、僕らが見てる映像のPerfumeを映像の1コマにしてみると


次のコマ、つまり上の写真の瞬間から1/30秒後の瞬間が



1/30秒でPerfumeはこれだけ移動しているのだ。


僕らは移動した部分を連続した動きとして、勝手に脳で繋げているのである。

Perfumeの場合は部分的に細かくてスピーディーな動きが多いい。そのため映像をみるときに普段みている映像の動きより、大きな動きを頭の中で繋げなければならない。

これにより、頭に残像が残るようなドラッギーな感覚が、ライブ映像を見る僕らの頭の中に生まれるんじゃないだろうか。



逆に言えば、1つのコマから、その次のコマの間の移動した部分にある無数の瞬間を僕らの目は捉えていないのである。実際のライブで肉眼で感じるあの滑らかさは、ライブに行かないと見られないものだ。

僕らはPerfumeのライブに足を運んで、無意識にライブ映像をみるときに頭のなかで繋げていたコマとコマの間を確認しているのかもしれない。




今回の二等辺三角形ツアーのDVDは今までにはなかった、観客視点からの映像も多く使用されている。

ライブ経験者の方はライブで実際に見えた景色を想いだし、同じような場所から映像でPerfumeをみたときの景色と比べてみたら面白いんじゃないかな。

Perfumeは映像というシステムがもっている中毒性を気づかせてくれた。

もっとも、ここで書いた内容よりも、中毒性の1番の原因は、彼女らから放たれる溢れんばかりの魅力×魅力×魅力なんだけどね。それは映像に映ってること以上のものだし、ことばじゃうまくいえないの。