Perfumeクラスタならわかってくれるかもしれない 「マジすか学園2」がなんで面白いか


現在テレビ東京系で放送されているAKB48主演「マジすか学園2」。
Perfume関連でフォローしている方々のTLには、毎週金曜の一定の時間にわけのわからない実況ツイートが多発しているかもしれません。AKBにちらっと関心があって見て下さる人にも「マジすか学園、なかなか面白いけれど、わからないことが多い」というお話を伺います。そこで、今日はPerfumeが好きという揺るぎのない価値観を共有しているフォロワーさんならわかってくれるかもしれない、そんな思いをこめて、「マジすか学園」の何が面白いのか、非常に雑な文章ですが僕なりの解説を試みました。
あくまでこれは僕が勝手に考えて萌えているだけのお話ですので、なにか間違っている、ズレていることがあったりしたらごめんなさい。ちょっと「ダサい」認識の文章になるかもしれません。


マジすか学園とは、現実とフィクションが交じり合った“いま、この瞬間の少女たち”のドキュメントである。」

僕はPerfumeの3人の歴史やパーソナリティーや関係性をいろんな媒体の文章やライブでの言動、過去YouTubeにユーザーが投稿したテレビやウェブサービスの動画など、さまざまにPerfumeについて“語られたこと”を能動的に受け取って、自分なりに組み立てていきました。Perfumeを愛する方々とお話をすると、Perfumeに対するさまざまなスタンスや意見などに違いがありますが、Perfume3人のキャラクターやスタッフも含めたPerfumeの何が素晴らしいのかという本質的な部分(長くなるのでここでは割愛しますが)は同じようなものを感じていることがひしひしと伝わってきます。

AKB関しても同じように、ファンはひとりひとりのメンバーやAKBについて語られたことをまとめ、それぞれのメンバーの歴史やキャラクター、他のメンバーとの関係性など、それこそ膨大な量の情報を自然に頭に入れて、ファン同士の共通認識として様々なところでAKBを楽しんでいます。(まあ改めていうことでもなく、それが今の情報化社会の中で、何かに熱中するということなのだと思いますが。)

そして、本題の「マジすか学園」について。
このドラマは前述したファン同士の共通認識をふんだんに脚本に盛り込んだつくりになっています。例えば、このドラマの舞台、ヤンキー女子高である「私立馬路須加女学園(通称マジ女)」及びその周辺の高校は現実のAKBに例えられます。マジ女を牛耳る吹奏楽部「ラッパッパ」には、部長、副部長、四天王、部員という組織が出来上がっており、マジ女内ではそのトップの座を狙う動きがある。「矢場久根」といった他のヤンキー高もマジ女を襲ってきたりします。少々強引ですが、舞台設定自体が、“「推す/推されない」の序列が決まり、「どうやって人気を得ていくか」という命題が各々のメンバーにつきまとっているAKBの世界”と、“喧嘩や策略、人望を含めた「強さ」でのし上がっていくヤンキーの世界”において「仲間との絆の中で、どうやって上を目指すか、そのポジションを保持するか」という点で繋がっており、その無理やりなヤンキーの設定に妙な説得力を与えるのです。

なんか、わかりきった説明が長くなりましたね。
マジすか学園の面白いところは、そういった現実の状況を例えた設定が大きなものから些細なことまで、各メンバーのキャラクターや台詞に細かく注ぎ込まれていること。
かんたんなところで役名の話をすると、「腹黒キャラ」の柏木由紀さん演じるところの役名は「ブラック」であったり、そんなゆきりんと仲良しのイケメンガー宮澤佐江ちゃんは女子だけど男装した「学ラン」っていうキャラだったり。「マジすか2」でラッパッパの新部長についている“おたべ”役の横山由依ちゃんが出身地の京都弁キャラだったりと。過去にAKBを脱退してまた戻ってきた菊池あやかの役名は「カムバック」で、現実にリンクするように高校を一回やめてまた戻ってきたという設定にはニヤリとしてしまいました。

そういうはっきりと現実とリンクした設定だけでなく、現実での状況が生み出したキャラだよなあ、なんて深読みできる要素もたくさん盛り込まれています。例えば「マジすか2」で元ラッパッパ四天王「シブヤ」こと板野友美はマジ女を卒業した後、就職していましたが、前田敦子にやられた過去を払拭するために、矢場久根の総長になって、マジ女を襲います。こういった物語上の設定も、オリジナルメンバーとしてAKBに入ってから、ルックスやキャラクターのイメージを自分なりに作り上げていった板野さんだからこそできることですし、物語のヒール役としてこのうえないハマり役となっているんですよ。


とまあ、AKBを知っていればいるほど、設定と現実のリンクを楽しめるのですが、それが、彼女たちの演技を見ることでさらに面白くなります。
SKE48松井玲奈は第一作で、ゲキカラというひたすら人を傷つけるのを楽しむ頭のいかれた女子高生の役が私たちに強烈なイメージを与えました。(一応テレビの企画で激カラハバネロチキンを気合と根性で食べきったということでつかんだとも想像できるこのキャラクター)
彼女の演技を見ていると、彼女がSKEの中で必死に歌って踊って、すばらしいファンへの対応を続けて、ブログなどから連日ことばを発信して、SKEの1番人気に上り詰めたのは、ある意味狂気じみているともいえるひとつの強い思いがあったからなのかなあと思わせます。
「マジすか2」でもとても重要な役をもらっている彼女の将来の夢は女優になること。テレビの向こうで演技をしている松井玲奈。まさにいまこの瞬間、その夢へ向かって必死に演じているその姿こそ、彼女の現実なのです。僕が一番面白いと思っている「マジすか」のフィクションの中に垣間見える現実は、キャラクターの設定だけでなく、ひとりの女性が夢を強く追い求めているという現実。彼女のがんばりが彼女をカメラの前に立たせ、台詞の決まったドラマの中でその思いをぶつけている。そんな瞬間は多くはないけれど、きっとどこかで感じることができる。そんなことを思いながら、「マジすか2」を見ています。ここにあげたのはほんの一例ですけれどもね。

さて、「マジすか学園2」がなんで面白いか、とかいっておいて、結局はこれはもしや松井玲奈について書きたかっただけではないのか?今回の主要キャストについてあんまり触れてないぞ!なんてことも思ったので、ちょっと、「マジすか2」が楽しくなるオススメキャラについて載せときます。


「マジすか2」は松井珠理奈に注目すると楽しい!

たぶん。

若くしてSKEを背負ってきた中学3年生の松井珠理奈
「マジすか2」ではマジ女の頂点=センターを目指す新2年「センター」として渡辺麻友演じる策士「ネズミ」と共にラッパッパに対抗する「つの字連合」を結成。ひとりでラッパパ部室に乗り込んだり四天王最強のゲキカラさん(SKEのエース対決という要素も)とタイマンをはるなど、「AKB、これから誰がひっぱてくの?」問題に対して、SKEながら強い意志を持って戦いに臨んでいます(もう文章がめちゃくちゃww)
普段はダジャレが好きな彼女のキャラクターは、ヘルマンヘッセに影響され詩的な台詞をうまいこと言おうとする「センター」のキャラに微妙に反映されており、(若干スベり気味なのもまたよし。)そのまっすぐな姿勢と髪をかき上げる動作、ダンス集団ともいえるSKEの日々で培った、バランスのとれた体系から放つアクションの存在感も含めて、カッコよいです。
盟友であるはずの「ネズミ」との関係も気になりますね。(まゆゆも次世代を続けて担わなければならない存在であるわけですが、この二人の関係性が現実にあまり見えてこないのも面白い)

あれ?結局SKEについて書きたかったのか?(あとさえゆき)

ということで、このようにAKBについて知っていくと、「マジすか学園2」はどんどん面白く見られるものになるんです!

オフィシャルな同人誌みたいな感じでしょうかw
こういうコンテンツをオフィシャルでちゃんと作ってるから、素人さんがやってるたとえば「AKBバトル選抜」の小説なども出てきて、さまざまな出来事、性格、関係性が物語を作って僕らを楽しませてくれる。雑な仕事も多いですが、AKBのそういったフレキシブルな物語性は本当によくできてるなあと思うところです。

最後にこんな上から目線のエントリーを書いた自分に、ラッパッパ新部長「おたべ」からひとこと…

「うぬぼれたら、あきまへんえ!!!!」