10.青い空(Dorothy Little Happy「STARTING OVER」を読む)
――――自分らしく微笑んだら 陽はまた射し込む
※アルバムを通した、いち個人の捉え方です。
この「青い空」という曲は「言わなくてよかった」で主人公がひとつの決意をしてから、しばらく時間が経ったあとの話だと思う。
「言わなくてよかった」から「青い空」へ。
「言わなくてよかった」で苦しくても「あなた」のそばにいたいと、諦めないことを選んだ主人公が「あなた」に対してとった行動と、その結末についての話は省略されたと考えてみる。
“聞き分けのいい自分に今夜サヨナラするのよ”
から
"きっといつかあんなこともあったと 笑える日が来る"
この間にあった出来事が、省かれている。
この流れから、現実はそう容易いものではなく、「あなた」のことを諦めなかった主人公の思いは報われることはなかったことが推測できる。
「君」とのストーリーは結末を迎えた。その結末は“あんなこと”として、まだこの時点で言葉にはできないけれど…(この曲では描かれていないが、もう「君」とも会うことはないと考えられる。※11曲目のレビュー参照)
(これは映画のシーンとシーンの前後で大きく時間を経過させることで、観客にその間の物語を想像させる手法に近い。最初から企画されたコンセプトアルバムではないもので、音楽でこういう経験をしたのは、自分自身にとっては初めてのことだ。)
“色づく街 行き交う人”を一人で眺めている主人公。“戻らぬ時 悔やむよりも 明日を見つめよう”。
主人公にできることは景色を眺めながら、未来へ想像をめぐらせることだけだ。
それでも、(もう散々でてきた)「COLD BLUE」を彷彿とさせる一節“迷い 彷徨う 心模様”に対して、今度は迷い立ち止まることなく、すぐに歩き出すところに、主人公の成長が確認できる。
この曲で眺める“青い空”は「2the sky」や「colorful life」で希望の象徴として主人公の目の前に広がっていた空とは異なり、「あなた」への恋、そしてそれが報われなかった出来事を経て見つめる空だ。景色の描き方の対比によっても主人公の成長は伝わってくる。
(余談だけどこの曲の心模様で見上げる空って、多くの人が人生のある時期に体験してるものなんじゃないか。)
青い空や街の景色を眺めながら、一連の「ストーリー」について思いを馳せる。
そして、切なさを抱えながらも、彼女は前を向いて再び歩き出す。
"新しい季節を 今 迎えに行こう"
主人公は、再出発「STARTING OVER」の時を迎えた。
COLD BLUE
http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/20/085909
2 the sky
http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/20/182323
colorful life
http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/20/185718
恋は走りだした
http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/21/221037
ASIAN STONE
http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/22/151048
CLAP!CLAP!CLAP!
http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/23/123309
ストーリー
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