ハウエルズ家としんぼる

「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」と「しんぼる」を観賞。
前者は文句なしのウェルメイドなコメディでした。
笑いどころはほぼドラッグとか下ネタがらみなんだけれど、上品さすら感じられる映画でした。
久々に映画館で腹抱えて笑いました。

一方「しんぼる」はものすごく退屈でした。今年一番退屈でした。個人的には大日本人の方が遥かに面白かった。(大日本人は途中寝ちゃったけど)
ネタバレになるのでぼんやりとしか言えませんが、松ちゃんが映画全体に仕掛けた大きなギャグは失敗している気がします。冒頭からダリーと思いながら見ている分、小ネタもほとんど笑えなかったなあ。適当さとかも狙いなのだろうけれど、監督として名前を出すならもう少しちゃんとスケジュールとってじっくり作った方がよいと思います。
大日本人のときは自らを嘲笑するスタンスでしたが、今回は最後までナルシシズム全開なので本当の意味で残念です。
松ちゃんはニーチェにでもなりたいのでしょうか。
アウトサイダーでカッコいいと思っていた先輩が、実は中学のときイケてなかったことがバレてしまったような感じを受けました。
しかし、最近の結婚の件も含めてそうやって実はまんざらでもないっていう人間味を出していくのが狙いなのかもしれません。笑いになる残念さを通り越して、本当の意味で(イタイ意味で)残念な人間を目指しているのかもしれない。それなら、この映画がイタければイタイほどよいのかも。
本当にニーチェになるのか。
ともかく、こんな最後の5分で全て伝わるであろうものを芸術チックに全国公開できるんだから、松ちゃんってすげえなって思うわけです。