「STARTING OVER」を読む(まえがき)

Dorothy Little HappyのセカンドアルバムSTARTING OVER」

 

 

大好きな、そして大切なドロシーの作品。首を長くして待っていた作品です。f:id:wonderkid:20140319235349j:plain

 今の段階の彼女たちが出すアルバムとして、贔屓目無しにとても満足のいく作品だったのですが、聴けば聴くほど、「なんとなく」すべての曲がひとつの流れを作っているように思えました。リーダーの佳奈ちゃんも、アルバムを曲順のまま全曲流れで聴いてほしいといった旨の発言をしていましたし、音楽や歌詞の起伏だけでなく、もっと具体的な物語がそこにはあるような気がしてなりませんでした。

 僕はこのアルバムリリースイベントを終えて、改めてこのアルバムを聴く時間を、暇をみては一曲一曲を言葉にする作業をしていきました。そんなさやかな時間の積み重ねのなかで、このアルバムのすべての曲が共通のことば、共通の意味によって連関しあっていているのではないかという、ぼんやりとした感触を得ました。当然、12曲をひとつの物語として捉えたときには、疑問や矛盾が出てくるのですが、

(3月4日に放送した「ドロシーストリーム」

http://www.ustream.tv/recorded/44508040 では、そんな疑問や矛盾点を感じている段階で、アルバムの詞世界についてあまりポジティヴな言葉にできなかった記憶があります。) 

それらひとつひとつの疑問対して自分なりの答えを導き、この作品から読み取れるひとつの物語についての考えをまとめてみました。

 

 

 これから書いていく話はあくまで「試み」なので、過度な曲解だと捉えてください。

 筆者の性格上、一部論文調で堅苦しくわかりづらい文章や言い回しに陶酔感ある鼻につく文章になってしまうかもしれませんがそんな自分をさらけ出す勇気もこのアルバムはくれるから(もともと陶酔感のある美談しか言わないけど…)自由に綴っていきたいと思いますとはいえ大好きなドロシー、もっと好きになってくれる人が増えてほしいドロシーのアルバムによせて、彼女たちに魅了され続けるひとりのファンの言葉として、ほんのささやかな責任感を旨に秘めながら、自分にしては珍しく時間をかけ、文章を書きました。

 

次の更新から、何回かに分けてこのブログにアップして行こうと考えています。

長いですけど、よかったら読んでください。


COLD BLUE

http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/20/085909

2 the sky

http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/20/182323

colorful life

http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/20/185718

恋は走りだした

http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/21/221037

ASIAN STONE

http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/22/151048

CLAP!CLAP!CLAP!

http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/23/123309

ストーリー

http://goziland.hatenablog.com/entry/2014/03/23/205535

どこか連れていって

言わなくてよかった

青い空


KOBerrieS♪がやってきた!

2月8日はご存知のとおり、世の中のすべてのマイナス要素を雪のせいにしたくなる大雪の中の大雪。ほとんどのイベントが中止になり川口春奈以外のたくさんのアイドルが「ぜんぶ雪のせいだ」と言わされた中で、「1時間だけ雪のせい」でイベント開始が遅れたものの、無事渋谷タワレコの3階のステージにたどり着いたグループがありました。そして用意されたステージが小さかったことを証明するように、遠征してきたファンと、雪の中ひとめみにやってきたファンによって3階のステージ前のフロア、完全にキャパオーバーになりました。そんな記憶に残るような状況の中で、初めて神戸から東京にやってきたアイドルグループを迎えることになりました。
ということで、2月8日、9日神戸のグループKOBerries♪が東京にやってきたことについてのお話です。


(静止画の撮影が自由だったインスアイベント。コウベリさんヲタのどぶさん @dobutas さんが撮影したものをお借りしました)

僕は渋谷と秋葉原を一部、また、10日の新宿MARZの対バンイベントでコウベリさんを見ることができました。普段東京にいる人間から見た感想ということでちょっとだけ書いてみようと思って久々にブログを更新しました。

元々、フォロワーさんの紹介もあってコウベリさんの「流星☆トランジスタ」を聞いたのですが、これがかなりの名盤で、Perfumeの京セラドームの時に神戸に行こうとしたらちょうどその週だけライブがなくて落ち込んだり、先日作曲しているよねざわやすゆきさんの率いるSchloderというバンドの東京のライブにも行ったりと、少しずつコウベリさんへの期待を膨らませていたのですが、そういった期待にしっかり応えてくれるライブを見せてもらえました。

初遠征に対して、かなりのサポーター(コウベリさんのファンの呼称だそうです)さんも遠征にいらっしゃっていました。サポーターさんが感動をかみ締めながらもとても楽しんでらっしゃって暖かい現場に。


(どぶさん撮影)
この「流星☆トランジスタ」 をはじめとして
パワーポップメロコアモータウンエレクトロニカっぽいイントロ、などの要素をジャンルに偏らなずにいいとこどりした曲の構成に、ユニゾンが印象的なボーカルが乗るコウベリさんの楽曲。作り手が「ジャンル」よりも「ポップであること」にこだわりを持ってるんじゃないかと思います。

そんな楽曲をライブを見て大満足だったんですが、それだけでなくステージの彼女たちもサポの人たちも公共の視線が集まる場所で経験を積んできたんだってことが強く伝わってきました。
いろんな方向に視線を向けて歌を届けるコウベリさんのパフォーマンスは、幅広い範囲に歌を届けることに対して相当鍛えられてるんじゃないかと思いました。きっと人通りのある公共空間でライブをして、常連のサポの人たち以外のたまたまそこにいたお客さんに対しても、「神戸のアイドル」として、思いをうったえかける広い視野を持ってライブに臨んできたんじゃないかと。

それはサポーターの人の振る舞いにも感じました。ここのヲタの人たちはミックスを打ったり、サークルモッシュをしたり、すばらしい楽曲をいくつも持っているグループにしては元気すぎると思うんですが笑、どう見ても暑苦しいアイドルヲタの行動をしているのに、自分たちの世界に閉じこもって内輪だけで楽しんでいる様子がまったく感じられませんでした。常にオープンな姿勢で「心から楽しもう」「コウベリを応援しよう」というマインドが伝わってきました。まるで「あまちゃん」の世界で夏ばっぱが言っていた「来る者は拒まず、去るものは追わず」といった言葉が象徴する北三陸の人々の盛り上がりのようでもありました。

きっとヲタもまた、たくさんの公共の人の目に触れる現場を重ねる中で、コウベリさんのパフォーマンスと共にウェルカムな空気を作られていったんだろうなあと思いました。

とりわけメンバーが「次の曲は●●です。」と言って、次の曲に向けたポジションにつくと「(次の曲名)来たーー!」ってみんなで一斉に叫ぶのが面白くて面白くて腹抱えて笑いました。これもアイドル現場特有の予定調和を楽しむ「ネタ」のレスポンスなんですけど、普通そういうのってその現場特有の文脈を理解していないと面白さがわからないものなのですが、その曲を待ちわびていたことがネタになって、それぞれの曲が主役となり、コウベリーズの音楽への愛を感じます。微笑ましくて面白いシーンでした。

あくまでちらっと現場の雰囲気を見ただけの仮説にすぎませんが、コウベリさんにはローカルアイドルならではのグループと現場の成長曲線をたどっているんじゃないかという気がしました。これは商品をPRするユニットでなくて、神戸という場所を訴求するユニットだからってのも大きいかもしれません。

新宿MARZでのベルハー〜KOBerrieSの流れがすごく面白くて、両方とも機動性が高いヲタに対し、ベルハーは前方に集まるヲタちゃん一人ひとりの心の深い根っこの部分をひっぱろうとするようなステージへの求心力の高いライブをしているのに対して、コウベリさんはフロア全体に対して、初見も常連も関係なく届けようとするようなパフォーマンスで、サポのみなさんが応援しながら時折がっつきながらバランスよく楽しんでいるような気がしました。沢山のすばらしい楽曲と面白いヲタを持っているグループでそれぞれのスタイルが際立った対バンでした。

メンバーの多様なキャラクターの面白さとか(特にめいめいさんとまりんさんの立ち振る舞いがエモいですね)、楽曲におけるユニゾンの声のすばらしさとオリジナリティとか、勝負をかける新曲の「未来少年少女」のよさとか、全体的なよねざわさんの歌詞の作家性とか、いろいろ言いたいところはあるんですが、また、Twitterで。

すごく褒めてる中で、ステージとか、運営の回し方とかで個人的に改善点を感じたところはあるけど、今の段階だとその辺もひっくるめて味なのかもしれません。あとはどこに目標を置くかによるよね。

そういえばドロシーのヲタの人が沢山いたなー笑
パフォーマンスの考え方はまったく異なるし、成り立ち方も全然違うんだけど、音楽に関しては、良質なポップスであり、かつフロアを盛り上げるジャンル系ではなく、ギターをメインに据えたアンサンブルが楽しめるっていう点で、ドロシーとコウベリの音楽には共通点があるんじゃないかなって思いました。

大雪の中流星のごとく東京にやってきて真空管の中のトランジスタのように音楽で人と人とつなげてくれたをKOBerrieS♪さん、とっても楽しい2日間でした!

http://www.youtube.com/watch?v=3C2tyXkzZOI
新曲もある意味アイドルらしからぬ歌詞というか青春を行きてる人たちが青春の後に辿り着く視点を歌っていて面白いです。音源、たくさん聴くことになりそう。

written by iHatenaSync

ドロシーリトルハッピー

ドロシーリトルハッピー
「colorful life」
オリコンウィークリーチャート8位、おめでとう!

正直あのスケジュールでみんなのコンディションが心配だった。初めての会場でも曲の数を多くして取り組みつつ、握手会やチェキ会のイベントもあるんだから。

でもそれはなんとか、なんとか杞憂に終わってくれた。初めての会場で、しかも普通のステージよりも簡易的な会場で、彼女たちはどんなときでも心のこもった歌とダンスを届けてくれた。

関東近郊のショッピングモールでもたくさんのイベントを打ったし、トラック稼動型のステージでもやってきた経験が彼女たちにはある。
まともなリハーサルができないインストア会場で連日あれだけの熱気のこもったパフォーマンスができたのも、東北や関東圏の様々な小さいステージで行ってきたことの賜物ではないだろうか。

すべての環境・状況でひたむきにがんばってきた5人。ドロシーリトルハッピーのドアはようやく。

ドロシーリトルハッピー in 香港

ドロシーリトルハッピーの出演する@jamの「Kawaii POP fest」に行ってきました。いろんな経験や気づいたことがあったけど、まずは取り急ぎの感想を。


国際展貿センター、通称 E MAX内にあるMusic Zoneというライブスペースへの出演でした。

現地のお客さんが普通にドロシーのTシャツを買って着ている姿が印象的でした。何人かの人に好きなメンバーを聞いてみてもみんなさらっと応えてくれますし、TIF2012でドロシーを見たという方や仙台のクリスマスライブにいらしたとう方などもいらっしゃいました。まりちゃんに平仮名でとても一生懸命にお手紙を書いている方もいらっしゃって、仙台に居住しているドロシーが、外国の人にも元気を与えているんだなと思うと、とても誇らしくなりました。

日本からきたお客さんは、オフィシャルツアー参加者が20名と、各自で手配して来られてる方が10名弱ほどいらっしゃったでしょうか。
そして、会場のキャパはリキッドぐらいの大きさでしたでしょうか。

決して安くないお金を取ってワンマンショーを外国のファンに魅せる機会が成立する。経営的な部分はわからないけど、イベントの狙いに対してはちゃんと応えている。
明確な志を持った彼女たちの頑張りの結果、こういったチャンスが巡ってきたんだと思います。

1日目は現地時間2時からのスタート。オープニングアクトで香港のガールズバンド、CHOCOのみなさんが生演奏で会場を沸かせてくれました。スキャンダルのカバー(日本語の発音完璧!)を一曲めに持ってきて親しみやすかったけど、その後に3曲ほど披露したおそらく彼女たちのオリジナル曲もよかったですよ。ギターの子がかっこよかったなあ。


さてさて、CHOCOさんのロックな時間が終わった後には、ついにドロシーがステージに立つ出番。何か自分の中で大きな節目という感じがして、連続ドラマの最終回みたいなテンションです笑
始まりは新曲「coloful life」、少し緊張した様子も見られましたけど、4月末の定期で見たときより力強さやフリのシャープさが増している印象を強く受けました。初海外での記念ライブみたいなのではなくて、日本でよく感じること、こんな短い間にも確実に技術が向上してるんだなあ、とか、また少したくましくなったなあ、とか香港の地でも気負わずいつものドロシーを見せてくれた感が強かったように思います。1日目は、アルバム「Life goes on」収録曲が中心で、最近の曲が多めなセトリだったと思います。
香港の現地コーディネーターをしてくださった(もちろん初めてドロシーを見る)トーマス氏曰く「普通の(飲茶を食べている親しみやすい女の子の)ときからは考えられない“パワー”があることにとても驚いた」そう。なるほど、ドロシーの発する「パワー」、ステップの力強さだったり、拳を掲げるときの勢いだったり、歌声の説得力だったり、まりちゃんの月曜ビームの威力だったり、お客さんとの掛け合いもあるかもしれない。女性ユニットに対して「パワー」と評するとちょっと違和感あるかもしれないですけど、アイドルを知らない香港のおじさんがそう評したこと、気功?オーラのようなもの?なんだかとってもしっくりきました。

2日目の昼は現地の飲食店でメンバーと共に円卓を囲んで飲茶を。レポなんかにするとオンラインオフライン共々事故りそうなので詳細は聞いてください笑 
香港ならではのこのイベントで食卓を囲んで感じたのは、彼女たちって「高みを目指す表現者としての彼女たちのプロ意識」と「夢を与えるアイドル特有の親しみやすさ」の両方をバランスよく持っているなあということでした。

2日目のライブは11曲しかやっていないということが信じられないほど、濃密なライブでした。「デモサヨナラ2012」に入ってる曲も多く坂本サトルさんの楽曲郡を軸に、それぞれ、テイストの異なった楽曲をひとつひとつじっくり楽しめるかなりの良セトリだったのではないかなと思います。「どこか連れていって」を聴きながら自分が今ここにいてドロシーの歌を聴いていることについて思いをめぐらせていました。ドロシーに出会わない、出会っても好きにならない人生だってあったかもしれない。異国の地に足を運び、ドロシーの曲を聴いて最高だと思えることがこの上ない幸せなことだなと噛み締めていました。

このライブは、自分が見てきたドロシーのライブの中でも有数のものでした。はるばる異国に赴いているからというだけではない。お客さんいつもより少ないから支えてあげなきゃっていう気持ちだけではないんだ。彼女たちとファンが歩んできた物語、この溢れそうな思いでいっぱいの会場の雰囲気を日本の満員のホールでたくさんのお客さんが感じてもらいたい、いつかそんな日がくるはずだってことを考えていました。

2日目は、ことばにできない思い出のライブになりました。終演後も感動でしばらく放心ぎみでした。ミート&グリーティング(a.k.a akushukai)では感想を伝えるというよりも、ただただ「(ここに連れて来てくれて、こんなに感動させてくれて)ありがとう」という気持ちと「あんたらすごいよ、未来をお願いするよ」という気持ちで、大切な時間を共有しあってる仲間みたいに勝手に感じさせてもらってました。メンバーのとっても嬉しい反応も聞けました。


今回の香港は、「ドロシーが来るのを待つ」か、「ドロシーに会いに行く」だけではなくて、「ドロシーと知らない場所へ行く」というかけがえのない経験となりました。「風よはやく」「ドロシーの世界一周夏物語」「未来へ」「未来への虹」など、楽曲のタイトルのごとく、これからもドロシーが「どこか連れていって」くれると思うし、僕らも「どこか連れていって」あげられるように、何度も何度も、素晴らしい瞬間に立ち会えるように応援できたらいいなと感じました。


ライブ後タクシーに乗って行った駅のHMVでたまたまドロシーTを着ている現地ファンを発見して驚き。こんな光景がいろんな場所に広がっていったらいいなあ。

プレイベントの様子

ドロシーと過ごした2012年まとめ

1.7 アリオ深谷
1.14 横丁原宿店 秋葉原ソフマップ
1.15 タワレコ新宿・渋谷
1.29 ワンマン 渋谷O-East
2.4 ガールズレビュー ベルサール秋葉原
3.5 ステップワンショーケース 渋谷DUO
3.18 ワンマン マウントレーニアホール渋谷
3.24 ピオニウォーク東松山
4.7 フルルガーデン 八千代
4.8 第2回アイドル横丁まつり 渋谷AX
4.9 ストナイライブ 渋谷O-East
5.6 ボートレース多摩川
5.20 ワンマン マウントレーニアホール渋谷
5.26 HMV大宮
6.23 MEME TOKYO FESTIVAL 渋谷WWW
6.24 HMV大宮
7.1 アイドル横丁夏祭り 新木場STUDIO COAST
7.7 東京国際ブックフェア
7.15 ラゾーナ川崎ナムコヒーローズスペース)
8.4  TIF お台場
8.5 TIF お台場
8.18 ツアーワンマン 新宿Blaze
8.23 アイドル乱舞 渋谷AX
9.8 ウルトラパンチLIVE 渋谷クラブクアトロ
10.13 @jam 渋谷AX
12.8 ソフマップ秋葉原
12.9 ソフマップ秋葉原
12.15 ステップワンニューピース 代官山UNIT
12.24 クリスマスライブ 仙台Rensa


今年足を運んだドロシーの現場。O-Eastという動員数のハードルの高いワンマンを1月に、その後初の全国ツアーはあるものの、会場的には「ステップアップ」という感は薄いのかもしれない。
でも、経験という意味では地力を蓄えたり、考え方を養って行く本当にいい時間が過ごせたんじゃないだろうかって、彼女たちのブログのことばを見て感じた。どんな会場でもどんな対バンでも彼女たちは堂々としていて、しっかりと役目をはたしていたと思う。どこにいってもファンとしてステージのドロシーを誇りに思うことができた。

そしてドロシーは今、「風よはやく」「永遠になれ」といったより繊細な表現が必要な曲だったり、「未来への虹」といったシーンのトレンドに対してちょっとした変化球を投げる曲だったり、「GET YOU」「nerve」といったフロアを意識した曲だったり、そして、「壊れちゃう 崩れちゃう」という坂本サトルからの課題でもあるような、作家性の強いロックな曲をじっくりと確実に体得している。

仙台のクリスマスライブでは新曲をしっかりと曲を発表することを意識していたようにも思えたけれど、それだけでも大満足の内容で、これらが構成を徹底したライブに当てはめられたら、今までよりも、もっともっと大きな思いが溢れるようなライブになるのではないかと思う。

自分はほとんど関東のイベントしか行かないのでよく間が空いてしまうし、握手もライブ後1回するかしないかという感じだけれど、いつもあまりテンション高めに話せないのを察してくれて丁寧なことばで対応してくれる5人の姿勢には、ステージ以外でもプロフェッショナルだなあと感じるようになった。MCでは、5人の魅力もわかりやすく伝わるようになってきた。

TIF2011で初めてみたときは正直ここまで想像してなかったなあ。ドロシーは時に大きな一歩を、また、日々地道な一歩を積み重ねて、ここまでのものを見せてくれるようになって、こっちもじっくりと小さな一歩の数々を捉えて大事な思い出にすることができた。既にコラボシングル、アルバム、定期ライブ、全国ツアーが発表されてる来年も、どういった形であれ、きっとかけがえのない日々をもたらしてくれるのだろうなと思います。

2013年、ドロシーがもっともっと飛躍できますように。という願いをこめて、1年間お疲れ様でした。

佐野友里子がステージに帰ってきた夜。

AKB8期研究生だった佐野友里子
AKBの過度期の中、8期生の後ひとり、研究生の劇場公演を守った佐野友里子
そしてセレクション審査によってAKBとしての生活を終えた佐野友里子



佐野友里子が愛乙女☆DOLLの4期研究生としてアイドルとしての活動を再開した。
9月11日、ドンキの8階の向かいのソフマップ8階で佐野さんがステージに立った。
自分が入場したときにはライブは始まっており、すぐに、歌って踊る佐野さんを見つけた。最後尾だけどとても近くに感じた。
初めての、そして久々のステージで緊張していたと思うけど、とても丁寧に、決めるところはシャキッと決めて踊っていて、歌も安定していて、このグループにとっては即戦力だとひと目でわかる感じがした。
かなり汗をかいていて終盤には前髪が崩れており、他のメンバーから「ゆりりん汗かき過ぎててサウナみたいに暑い、新陳代謝いいんですね」って突っ込まれる場面も。
彼女には大きな経験と語られるべき歴史があるけれども、新入りの研究生としてのまじめで謙虚な雰囲気はとても好感がもてた。



ここまで書いてきてなんなんだけど、自分は佐野さんがAKBにいたころに推してたわけでもないし、話したこともない。研究生の中でルックスがかなり好きだなあと思っていただけで、彼女の劇場での評判はむしろ辞めてから知った。
ただ、8期で頑張っている佐野さんはどうなるんだろうと思っていた矢先、セレクション審査の発表によって突然佐野さんが劇場をあとにしてから、ずっと気になっていた。

佐野さんにとってAKBの日々とはどんなものだったんだろうと。


約2年の歳月を経てまたステージに戻ってきた佐野さんからは、ほんとにステージが好きなんだなあという気持ちが伝わってきた。別にそれが自分の問いかけに対する答えにならないんだけど、なんとなくすっきりしたというか…とにかく佐野さんがステージが大好きなことだけは、この世で確かなことだといえる。
幻想や理想のバイアスがかかるアイドルの世界の中で「確かだ」って思える、そんなきわめて純粋な喜びを感じられて、ああアイドルっていいなと初期衝動めいた感情に浸った。



無事ライブは終了し、握手会へ。握手会&チェキ会と銘打たれていたが、佐野さんのチェキはまだ解禁していませんとのこと。インストアの整理券は完売したようで、ちょっと違った雰囲気をかもし出してる人々のコミュニティがあり、佐野さんに会いにきたんだろうなあと想像がつく。「ゆりりんへ」と中央に書いた色紙に寄せ書きを集めている人もいた。  ゆりりん、お帰り。



ここにたどり着くまでいろんな苦悩や努力があっただろけど、とにかく素敵な夜だった。
彼女の真面目さやひたむきさにまた出会えたことがとても嬉しくて。

佐野さんが昇格を目指すグループ、愛乙女☆DOLLについてはまた今度書けたらいいなあ、また会いに行こう。